しばしばオフトン

ゲーム、旅行記、医学、4コマ漫画。

【DBD】初めてキラーをやる君へ

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そうか、お前はキラーを始めるんだな

よく来た、まあ、座ってくれ。すまないな、急に呼んでしまって。

ん?大丈夫、何も言わなくてもいい、その目を見ればわかるさ。ついに決めたんだな、キラーをやるって。ん?驚かないのかって?はは、俺をみくびるなよ。気付いていたさ、サバイバーばかりやっていたお前の目に、いつしか狂気の色…そう、殺人鬼の光が宿ってきていたことに。

何?そうとなれば話は早いだって?待て待て、おちつけ、その斧を置け。確かに、お前の心はもう立派な殺人鬼だ。だがな、このエンティティに司れし世界は、そんなに甘いもんじゃない。見ろ、あの酒場の角で逆さまになって倒れているデモゴルゴンを。…かわいそうに、あいつもお前みたいに初めて戦場に行って、帰ってくるなり…あのざまさ。「ライト…クッシン…」と譫言のように繰り返すばかりで、もう俺たちの声も届いてやしねえ。完全にヤられちまったのさ、心がな。

お前も、あいつみたいになりたくはねえだろう?そうだ、ようやく座ったな。だがいいぜ、その不満げな表情。殺人鬼ってのはそうじゃなくちゃいけねえ。心に常に牙をもっていなきゃ。だがな、俺も仮にもランク1の称号を持つ殺人鬼だ。お前さんより少しだけこの世界のことを知っているつもりだ。老婆心だと思って、俺からの助言を、聞いて行ってくれや。さあ、まずは乾杯だ。

 

1.勝とうとするな

なんだ、いきなり先にもまして不満げだな。まあ聞け。いいか、お前もサバイバーをやってきた身だ。この世界の大まかなルールはわかっているだろう。そう、5台の発電機が修理される前に、4人の生存者を殴り倒し、エンティティの空に捧げるってわけさ。簡単なことだ。でもな、この一見簡単に見えることが、実はとても難しいんだ。なぜなら、サバイバーの野郎どもは、ああ見えて実はこの世界を何度も経験している。それ故に、この世界のことを、奴らも熟知しているんだ。何度も輪廻を繰り返しているサバイバーなんかは、はっきりいって鬼みたいなもんさ。ああ、いや違うONIの兄貴、あんたを呼んだんじゃない、でもまあ、あんたみたいな顔を、サバイバーたちは心の中に持っているのさ。決して油断しちゃいけねえ。殺人鬼である俺たちが攻撃する側と思いがちだが、そんな気持ちで挑んだら奴らに破壊されるぞ。お前の心がな。

 

だからこそ、第一にお前に伝えたいことは、「勝とうと思うな」ってことだ。いや、お前を馬鹿にしてるわけじゃない。でもな、初めてこの世界に降り立つキラーが、いきなり試合に勝てるなんてまず無理だ。一人も吊るせないどころか、一発も殴れないことだってありえる。それどころか、俺の知り合いのキラーなんて、最初は一人も見つからないまま通電したって言ってたぜ。そうさ、そのぐらいこの世界は残忍で、冷酷で、無慈悲なんだ。サバイバーのちょっとぐらいの経験なんて、一吹きで吹き飛ぶ。そのぐらいに殺人鬼っていうのは難しいんだ。運営も言ってただろう、殺人鬼は上級者向けだって。それは誇張でもなんでもない。だからこそ、お前は最初は勝つことを目標にしちゃいけねえ。まずは、一人吊るすこと、一人殴ること、一人見つけることを目指せ。これから世界に降りて、一人見つけて帰ってきたら、俺はお前を褒めてやろうと思うぜ。だからそんな気持ちで、安心して行ってこればいい。大丈夫、ひよっこのお前が失うものなんて何もないんだからな。

そうして少しずつ試合を繰り返しているうちに、だんだんとお前もわかってくるだろう。サバイバーを見つけるコツ。サバイバーを殴るコツ。そして、試合に勝つことの難しさがな。言っても、サバイバーをやってきたお前だ。試合に勝つことも、負けることもあっただろう?でもな、キラーは違う。負ける時期は負け続ける。なぜだと思う?簡単なことさ、こっちは1人、あっちは4人だからだ。

生存者は4人いる。お前、ひよっこのキラー、ランク20の生まれたての赤ちゃん殺人鬼には、おんなじように、ひよっこのサバイバーばかりがあてがわれると思うか?エンティティの神様はそんなに優しくはねえ。幾ばくかのランク調整はされるものの、ランダムマッチで適当に集められた4人が全員ランク20の生存者なんてことはありえない。4人いれば一人は高ランク、もしくはランクこそ低いものの熟練の経験者が混ざっていることのほうが多いだろう。つまり、こういうことさ。こっちはスライム一匹。相手はスライム、スライム、スライムベス、ドラゴンなんだ。スライム同士なら良い勝負ができるだろう、でもな、一匹ドラゴンがいたらもう勝てるわけがないんだ。スライムはドラゴンにやられちまう。だからこそ、お前はスライムのうちは勝てないんだ。…お前がドラゴンになるまではな。うん?なんだ、急に不安げになっちまったな。はは、大丈夫だ。お前のその目が輝き続けていれば、必ずお前は強くなる。だから俺は今から、お前が負け続ける辛い時期に、その目の輝きを失わないですむようなアドバイスを送ろうと思っているんだ。

 

2.上手いやつとチェイスをするな

まず、上手い奴とチェイスをしてはいけない。いいか、熟練のサバイバーはお前より足が速い。え?俺の方が速いはずだって?はは、単純な身体能力だけで言えばそうだろう。だがな、試合に出てみればわかるさ。お前は何度も経験するはずだ。サバイバーを追いかけても、お前のほうが足が速いはずなのに、永遠にそいつに追いつけない事態に。なんなら、板のまわりをグルグル回っているだけのやつにずっと追いつけないことすらある。それは奴らが上手にインコースを回っているからとか、お前のフェイントが完全に見破られているからとか、いろいろ原因はあるんだが。とにかく上手いサバイバーの足はお前より速い。そして、そんなやつをずっと追いかけてみろ。その間に残りの3人が嬉しそうに発電機を回し続けるぞ。気付いたときにはゲート解放さ。

ランク1になった俺ですら、未だに上手いサバイバーには永遠に追いつけないことがある。この世界、完璧なサバイバーが完璧に立ち回ったら、少なくとも発電機数台分のチェイスをされちまうんだ。そんなチェイスに付き合っているよりも、一旦追うことをやめて、改めて奇襲をしかけるとか、他のサバイバーを追いかけたほうがいい。忘れるな、お前が戦えるのは、目の前の一人だけじゃない。

 

3.煽られた時の心持ち

そして、これからが一番大事なことだ。さっきもいったけどな。サバイバーは成人君子でもなんでもない。むしろ奴らは鬼だと思った方がいい。その体現を具に感じられるのが、そう、「煽り」さ。

良いか、お前がいまから戦場に出たら、必ず出会うシーンがある。お前が必死で追いかけ、いよいよ攻撃が届きそうなその瞬間、板をぶつけられ頭にタンコブができる。その痛みに悶えながらお前を顔をあげたら、目の前でハゲたドワイトが高速で屈伸しているんだ。最初は何をしているんだろうと思うだろう。そして、気づく。「ああ、こいつは俺を馬鹿にしてるんだ」ってな。そう思った瞬間、お前の心は怒りに震え、頭に血が登り、コントローラーを握りしめる手が冷や汗に湿ることだろう。当然だ、そこで怒らないようじゃ、そんな腑抜けた心じゃあ殺人鬼はやっていけない。でもな、落ち着け。実はそんな風に考えたら奴らの思うツボなんだ。

冷静に考えてみるんだ。奴らはなぜ煽るのかを。単純にお前を馬鹿にしたいだけなのか?板の前で屈伸よりも、本来なら距離をとって逃げたほうが良いときもある。ライトを高速でチカチカさせていても、電池は減るんだ。普通に考えればそこにはデメリットしかない。それでも、なぜあいつらはそれをするのか?そう、メリットがあるからだ。それはなんだと思う?

そう、奴は、お前の怒りを買うことで、チェイスを引き付けられるんだ。板の前でドワイトが空を仰ぎながらクルクル回っていたら、お前も「こいつだけは許さん」みたいな気持ちになるだろう。落ち着け。わかるけど落ち着け。それはまさにドワイトの思うツボなんだ。やつは煽れるくらいだから、チェイスに自信があるタイプのプレイヤーだ。そして、チェイスを引き付けている間に、やつは残る3人のサバイバーを守っているんだ。残りの3人の中には生まれたての初心者サバイバーがいるのかもしれない。そいつをお前から守るために、ドワイトは道化を演じているんだ。それはさながら、母猫が背後の子猫を守るため、毛を逆立て、精一杯の虚勢を張っている姿なのかもしれない。どうだ、そう考えたら、目の前のはげたドワイトが神々しくすら思えてこないか?高速で屈伸しながらライトをチカチカしているドワイトも、実は画面の向こう側では恐怖に足を震わせながら、必死で勇気を振り絞り、そうしているのかもしれないんだ。だから、お前はその姿をみたら、こう言ってやればいい。「お前も、大変なんだな。でもな、これは勝負なんだ。俺は手を抜かないぜ」。そうして、くるっと振り返り、他のサバイバーを探しにいけばいい。それこそ、やつが一番困ることなんだからな。

 

4.それでも煽られた時の心持ち

でも、そうは言っても、もう発電機も通電してるし、あとは出るだけなのに、やたらと俺の周りに集まってきてはライトを当ててくるこの人は、もう俺を馬鹿にしたいだけなのでは?なんて思ってしまうこともあるだろう。落ち着け。それですら、なぜそういう事態に至ったのか考える必要がある。お前もサバイバーをやっていた身ならわかるはずだ。試合が始まった瞬間の、ドキドキする気持ちを。今回のキラーは誰だろう、強いキラーだったらどうしよう。そして殴られ、吊るされ、果たしてこの地獄から逃げられるだろうか、このまま死んでしまうんじゃないか、コメを奪われてしまうんじゃないかと、何度も恐怖を感じただろう。その恐怖を潜り抜け、勝機が見えたそのとき。サバイバーは恐怖からの脱出という喜びと共に、それを煽りという形で反撃に出るんだ。このやろう、俺を怖がらせやがって、お前なんてライトでも浴びればいいんだエーイヤーイとそういう気持ちなんだ。それだけ、お前のプレイングが奴に恐怖を与えていたという証拠と考えれば良い。だからゲートの前で高速で痙攣しながら歩いているドワイトを見かけた時、そのドワイトは画面の前では涙でぐしょ濡れになりながら、とてもいい笑顔をしているんだ。そんなドワイトの笑顔を想像できたら、お前も優しい気持ちでドワイトの旅立ちを見送ってやれるはずさ。怖かったな、ドワイト。今回だけは許してやる、さあ安心してもう行けよ。そう言って、やつの門出を、祝福してやろうぜ。

 

5.それでもとにかく煽られた時の心持ち

そうはいっても、試合開始直後からライトマンがずっと後ろについてくるし、もう名前からして完全に海外のボイチャパーティだし、こっちは全然殴れないのにグルグル4人で周りを回り始めたし、これはもう完全に俺を煽って遊んでるだけのやつらでは?そう感じてしまうことはあるだろう。いいか。それはもうその通りだ。世の中聖人君子ばかりじゃない。そして、総じてそんな奴らほどプレイも上手い。そんな悪魔みたいな奴らもいるんだ。運悪くそんな奴らと当たってしまったら、歯が立たないまま煽られ続け、試合が終わったころにはお前のテレビにお前のプレイステーションが刺さっている、なんてこともあるかもしれない。でもな、それでもお前は負けちゃいない。そうさ。いまこそ思い出せ、あの黒魔術を。ドワイトの顔を念じながらエンティティに祈りを捧げるんだ。そうすれば翌日あのドワイトは通勤中にお腹が緩くなって大変なことになる。いこう。遠慮はいらない。外道には、外道だ。お前は試合に負けて、勝負に勝ったんだ!!

 

6.世界が、待っている

…ふん、少し長くなっちまったな。でも、良かったぜ。お前のその目をみていたら、安心してお前を戦場に送れるよ。いいか、殺人鬼はサバイバーよりも何倍も辛い思いをする分、勝ったときの喜びもまた桁違いなんだぜ。そしてそうだな、いつかお前が全滅を取れたとき…このテキーラをまた奢ろうじゃないか。だから、初めて全滅が取れた時は教えてくれよな。どんな試合だったか、酒を酌み交わせながら、語れるそのときを楽しみにしているぜ。

よしじゃあ、行ってこい。エンティティの神様は、お前をいつだって見守っているぜ。パアン!